4月句会投句一覧
兼題の部(桃の花)
1かの国も咲いているかや桃の花2桃の花路地のかたへの理髪店
3手を合はせ心和やか桃の花4オートバイ跨ぐ女性や桃の花
5背なの児の顔じゆう欠伸桃の花6口琴の兄の演奏ももの花
7イラストのような屋島の桃の花8桃の花茶飲みの膝の縁のさき
9祖母笑ひ少女に戻る桃の花10旧道や家々しんと桃の花
11怪物が目覚めたロッテ桃の花12ふるさとを語れば桃の花自慢
13寄せ書きに添へられている桃の花14いつも来る笑顔の双子桃の花
15寝たきりの妻の夢路や桃の花16桃咲いてけふも事件のなき日かな
17公園の新しくなり桃の花18桃の花紅し娘は婚近し
19桃の花弓引く所作の美しき20古賀宿に語り継がれる桃の花
21母の背の匂いの記憶桃の花22鴇鼠の裾のはらりと桃の園
23白髪と真っ赤なルージュ桃の花24受胎告知祝ふ座敷の桃の
25女子生まれ祖母感涙や桃の花26咲き満ちて温みこぼるる桃の花
27桃の花話は尽きぬ立ち話28火の山を眺める朝の桃の花
29ときめきの芽生ゆる風や桃の花30桃の花影の揺れゐる露天の湯
31母方は桃の花咲き人の良さ32桃の花ぽつねんとして鬼瓦
33アルカイックスマイル思惟仏桃の花34観るはハナモモ実付けるは桃の花
35桃咲いて一村しばし桃源郷36摘花あと風とコラボの桃の花
37桃の花線路の先の遠筑波38怖き世の来ぬ間に咲けや桃の花
39桃の花種は武骨でありにけり40よく笑ふ娘ざかりや桃の花
41孔明も眺めただらか桃の花42緋桃咲く赤ちやんに皆百面相
43年ごとにまぶしき娘桃の花44きのふまで蕾でありし桃の花
45桃の花旅の友にときび団子46弓を引く少女きりりと桃の花
47迷ひ道抜ければ桃の花盛り48つゆ濡れてただ眩しくて桃の花
49鶏鳴の咲かせてありぬ桃の花50降り暮らす雨や桃咲く片田舎
51嬰児の頬柔らかや桃の花52シンプルな白色が好き桃の花
53頬杖の菩薩まどろみ桃の花54ひと山は袋掛け待つ桃の花
55儚くも煌めくこの世桃の花56桃の花にほふ古里遠かりき
57能舞台佳境に入るや桃の花58菩提寺に場所変へ句座や桃の花
59桃源の里の真ん中家居かな60過去形になりしふるさと桃の花
61空をつく小さき拳桃の花62見はるかす卑弥呼の墳墓桃の村
63異国語の集ふ教会花の昼64桃の花咲くを待たずに逝きし吾子
65駆け出せる幼を追ふや桃の花66桃の花ぽあんぽあんと明けてゆく
67玄関をひそと飾るや桃の花68桃の花ジェンダージェンダーと言ふけれど
69目印は桃の花咲く喫茶店70断捨離のとき刻々と桃の花
71沿道の店舗を囲む桃の花72世の幸をみんなあつめて桃の花
73桃の花川に亀居る気配かな74西王母の祈る世界や桃の花
75産声を待ちいる児等や桃の花76子の街に近づく車窓桃の花
77表札の夫婦別姓桃の花78真新しい靴で登園ももの花
79桃の花卒寿の母の頬の紅80靄晴れて山の畑に桃の花
81小気味よき摘花の鋏桃の花82桃咲くや雲ひとつなき峡の空
83窓猫の憩ひさはさは桃の花84山越えて左かひみち桃の花
85病室の高さにかをる桃の花86桃の花受粉に勤しむ祖母の手よ
87桃の花疎水の水は京を指す88塩むすびつくづくうまし桃の花
89応答なきチャイム再びしだれ桃90故郷は寺多き町桃の花
91床の間の床の傷跡桃や花92桃の花ありて古里くつろげり
93花桃や五姉妹揃ひ仲のよし94むかしむかしのことですよ桃の花
95父母も今は亡き家桃の花96木戸際に待つお下げ髪桃の花
97山里に仙人住むか桃の花98花一つ蕾二十(はたち)の鉢の花
99山峡の雲湧くところ桃の花100店先の桃の花の香嗅ぐマスク
101鉤形に曲がる甲斐路や桃の花102桃の花村の湯行きの路線バス
自由題の部
103新聞の届きし音も春めけり104てふてふや真つすぐのびる通学路
105咲いて散り再び芽吹く春の恋106城朧登る人語のひかりをり
107村の子のあいさつ上手葱坊主108夫の忌や戸を開け放つ花ぐもり
109永き日にマカロン五つ買いに出る110山墓は彼岸桜の咲くところ
111揺蕩ゐて花筏にも命かな112荒れ庭にわけても痩せて花辛夷
113しだれ梅2・24忘れまじ114花の宴笑ひ尽くして果てにけり
115目借時阿吽の像のひと睨み116藍色の暖簾の奥の春灯
117聖母に似て妻指長し花の冷え118すれちがふ電車蛙の目借時
119春落葉園児の列はまっすぐに120葉桜の足踏みをしてうすら色
121風誘ひ風にに散りたる桜かな122春風や心はいつも旅の中
123雀の子2,3粒食べぱっと散り124沈黙は金ならず無力すみれ草
125磐座の紙垂に触れもし揚羽蝶126桜蕊降るや心音鎮まりぬ
127入院の妻へ桜の写メ送る128朝一の玉レタス摘む雨間かな
129雨上がり磴に張り付く落花かな130神宿る日向の国の春田かな
131一歳児よちよち春の大地踏む132花影にあしたの光及びくる
133華やかな時もあったと散る椿134日溜りに腰掛移し桜餅
135春愁やほろ酔い缶で小夜ひとり136ふるさとの筍飯や母恋し
137行く末はおぼろの中や今を生き138防犯のカメラの上や燕の巣
139子ら遊ぶはずの春野を戦車ゆく140旅立ちに捨て置かれてもクロッカス
141初燕ついと出てゆきすぐ戻る142筍の料理づくしや誕生日
143清明の雨にかがよふ瑠璃瓦144苗札の園児の誤字にほほゑみぬ
145また一人家を出る子や桜冷え146持ちきれず花びらこぼす老樹かな
147八頭身ミニの似合いし夏隣148宙返る唐子人形春の空
149春の闇誰か後ろにゐるやうな150草餅を向田邦子と懐かしみ
151五目飯に漬物すこしあさり汁152とつぷりと浸かる薬湯花の冷え
153風光る水面にうつる蔵屋敷154田起しの音掻き消すや部活動
155年ごとに峡の隔たる山桜156佐保姫の創作和菓子おもてなす
157人絶へし里の大樹の花は葉に158春耕や畔に芽吹きの焔立つ
159万緑や学校消えし郷いくつ160フェンス越えこれ見よがしに躑躅咲く
161路地の猫背ナの丸むや夕桜162若葉風百樹の森で深呼吸
163胸板をたたくゴリラやさくら東風164若楓さわさわ風の真如堂
165春の日のふはり綿菓子膨らます166桜餅行列つくる門前町
167一雨の去りて幾段山の藤168花の上にのつと首出すキリンかな
169遠くより「私を見て』と白木蓮170パイロツト目指す詰襟初つばめ
171陽炎や玉砂利を掃く寺男172本番の園児のドラマー風光る
173散り終えて山に溶け込む若葉かな174真っ青な空を讃へて告天子
175蝙蝠や薄闇の中置き場過ぐ176春愁や言の葉ときに重きもの
177たんぽぽや傍らにあるランドル178行く春や猫の破りし障子穴
179花の頃合唱団は特訓中180散髪終え泣き顔の子の手に風船
181春の暮長き映画をひとり見て182畝の端に余す大根の花咲けリ
183花愛づる手話の指先風光る184少年の夢の行方よしやぼん玉
185何処へと飛行機雲や春夕焼186雑草のなか凛として夏薊
187南風吹く恐山より牛の貌188若人ら着物にマスクで古都の春
189ふらここの影を抜け出す笑ひ声190薫風や珈琲の香のせて朝の来ぬ
191無人販売今朝筍を長屋門192老人会の監査無事終へ暖かし
193紫陽花の傍に干すスニーカー194かんばせの汗は火の色鉄鍛へ
195満開の花はいばらずでしゃばらず196バラードのジャズのレコード暖かし
197寮生の名札新し余花の雨198皹も何時しか癒えて蕎麦を打つ
199入学式スキップしながら手を引かれ200音が先駆や春天のヘリクプター
201やはらかき肌のぬくもり花の雨202水面眩し庇に踊る春の陽よ
203蔓に蔓絡む知恵の輪藤の花204五月や車洗車の長き列
205春めくや待合室のヴィヴァルディ206ひとひらの花はをみなのかたぐちに
207天下取り枝垂桜の三日間208登城へと囀りまろぶ人語かな
209イマジン聴いている桜咲いている210網倉もウインチも古り辛夷咲く
211しがみつく子に父が吹くしゃぼん玉212雲かくし桜さかりの其処までと
213盃に思ひ出満ちる桜かな214遠目にも蔦の若葉の跨道橋
215咲き誇る桜のピンク幹の黒216吉報は桜の坂を駆け上がる
217大奥の衣擦れ今に八重桜218花の雨ゆつくり冷えて煮ふくまる
219車椅子の妻児にもどる飛花落花220蒼空へ変はる星空巣立鳥
221木の芽雨あっといふ間に五十ミリ222春台風を聞くニュースもう十時
223花影や犬の顔出す乳母車224見るたびに少女に戻るすみれぐさ
225うららかや回り道して一万歩226春光の洽きダムの水面かな
227春宵やスコアブックと柿ピーと228「黄昏のビギン」沁みる心に夕雲雀
229麗らかや妻退院の荷のからき230漕ぐたびに仰ぐ天守や花万朶
231仄暗き参道に沿ひ著莪あかり232にほひ満つ山師の昼餉目刺し焼き
233追憶や永き夕日と囀りと234竹生島霞む琵琶湖の花吹雪
235椅子三つ並べ入学式終える236川底の小石押しやる春の水
237湯潅の夜見守る一家春の月238今日穀雨関東地方だけなのね
239老桜の千年の意地咲かせをり240筍の領地侵犯捕獲さる
241菜の花や味のしみたる稲荷ずし242新学期親が子を追う通学路
243みちのくの低き軒下春の泥244ぼうたんの白き切り花筆走る
245吹き口に香る石鹸しゃぼん玉246初雲雀ドローン躱しあがりけり
247ふたりして皺をふやして花吹雪248杉山に桜さしたる灯りかな
249中天に引く一条や鳥帰る250緩やかな起伏のままに芝桜
251次々と人立ち止まる桜あり252庭の渋柿(しぶ)蕾みあふるる四月尽
253誕生の嬰に春服の桃色を254ふるさとの香をふんだんに草の餅
255花冷や日暮れの雨は人を恋ふ256堂堂と王妃の名持つ牡丹かな
257存へて余生うやむや亀の鳴く258菜の花やレシピを開く夕厨
259色褪せし傘も艶めく花の雨260暗き夜も絶えぬ微笑み種案山子
261末黒野や隣る水郷風強く262釣糸を垂れてひねもす湖うらら
263入学のシニア大学浮き浮きと264微笑みも介護のひとつチューリップ
265豆飯を食んで想ふは妣のこと266フェミニンてふ卒寿近くの衣替え
267沈丁や今宵は恋の話など268今年また増えて顔だすすみれ草
269夕暮れて蕗を片手の家路かな270裸婦像の部屋に潮の香夏来る
271霾やネットバンクを勧められ272赤ちゃんに集まる笑顔あたたかし
273竹落葉品書に積むカフェテラス274中華屋を覗く雀や春日向
275若葉雨杖見て傘を動かして276追ひつきて二手に分かれ春日傘
277青木家を過ぎて行くのか春の暮278花びらや背広に慣れぬ肩先に
279鼻口のない絵を描く入園児280奥様と呼ばれず久し遠霞
281外来に知人の居りし花の昼282二年ぶりの再会母と柏餅
283春愁や閉店告ぐるかすれ文字284万緑の森に鎮座の地蔵堂
285足音に鯉の犇めき春暑し286紫木蓮百の蕾を膨らます
287神木の声聴く娘春の宵288トンネルを抜けりや駿州みかん咲く
289身ひつのやどかり不足なき暮らし290ダンプ繰る黒髪巻上げ春疾風
291ポッペンを鳴らして春の雲とゐる292夏めくや氷の旗の目立ちおり
293改装の団地のめざめ風光る294外つ国へ思い馳せおり花ミモザ
295麦秋や青と黄減りし絵の具箱296花は葉に旅かなわぬに公園へ
297昭和の日日本史にあるウクライナ298菜の花や色で大地を明るくす
299一斉に開く教科書若葉風300風船やゆるり昇りて雲に入る
301春風は山駈けめぐり目覚めさす302暇あれば草取る妻や風光る
303チューリップ大きな声の男の子304降る花に遊ぶ仔犬のうららけし
305風の道はづるるしゃぼん玉一つ306ライラック香る通りへ鼓笛隊
〔選句方法〕

下の〔草ネット投句〕ボタンから送信するようにお願い致します。
「選句」を選び、兼題より2句、自由題より4句の計6句を選択し、
都道府県名・氏名(俳号可)を明記の上、「送信する」ボタンを
押してください。

選句〆切:5月27日(金)、発表は5月31日(火)に行います。

なお、一部の漢字はネット上では正しく表記されず、
「?」で示されますので、読みを入れてあります。
        
3月句会結果発表
兼題の部(春の雲)
作 品 互選 選者選 都道府県 作者
59懸垂のたびに近づく春の雲10神奈川県風 神
10露座仏の肩にふわりと春の雲8神奈川県ようこ
39鍬の手を腰に仰ぐや春の雲8東京都水谷博吉
1シャガールの空を翔ぶ馬春の雲7岡山県原 洋一
36じやんけんで帰る階段春の雲7神奈川県ひろし
19ホルン吹く少年の胸春の雲6滋賀県泥 亀
22自立への一歩踏み出す春の雲6千葉県玉井令子
68ぼんやりとゆくすえおもふ春の雲6神奈川県毬 栗
87校庭は今離任式春の雲6千葉県岩 魚
90焼きたてのクロワッサンや春の雲6愛知県コタロー
88ゆつたりと流れゆく日々春の雲5愛媛県牛太郎
77草千里牛が目で追ふ春の雲5福岡県宮内和彦
46春の雲置きて水面の鳳凰堂5大阪府レイコ
69図書館の大窓を行く春の雲5神奈川県佐藤けい
23春の雲つきたて餅のごと伸びて4埼玉県祥 風
13豊かなる子の土踏まず春の雲4三重県déraciné
32オムレツの端がたためず春の雲4神奈川県じゃぐ
41引越や積荷の上の春の雲4北海道篤 道
51晩節のかたちそれぞれ春の雲4神奈川県横坂 泰
14春の雲に飛び乗れ乗れさうな観覧車3京都府せいち
2恵那山に一日浮かぶ春の雲3愛知県草 木
29春の雲光巻き込む綿飴屋3埼玉県桜 子
35塔ぬつと春雲三つ従へて3兵庫県峰 乱里
47ワンタッチで開くテントや春の雲3愛知県淳 和
50通院の母としりとり春の雲3茨城県申 女
53子が走り子犬が走り春の雲3三重県八 郷
55渡し舟行きつ戻りつ春の雲3岐阜県俳ネン
62一筋の川をはるかに春の雲3千葉県須藤カズコ
71校門をくぐる母子や春の雲3三重県正 耕
93土くれに雫の光り春の雲3静岡県さくら
8母はあの帽子のひとよ春の雲2静岡県指田悠志
37春雲や戦いのなき大空に2静岡県雪 子
42春雲や淡き光のパステル画2神奈川県ドラゴン
43坂のぼり義足試す子春の雲2岐阜県近藤周三
44春の雲広ごる都庁展望台2埼玉県立山 嶺
80春の雲ひとつ千切れて独り立ち2神奈川県みぃすてぃ
5春の雲ウクライナには日常を1千葉県山 月
6龍神の姿に見える春の雲1香川県どりんひめ
7春の雲気ままな風の象かな1兵庫県鈍愚狸
20貧乏で頗る陽気春の雲1京都府しげお
24直ぐ上の春雲の影競馬場1神奈川県たかほ
26駅階段ゆるゆる降るや春の雲1東京都梧 桐
31春の雲園児らの声響く土手1埼玉県イレーネ
52リハビリのいつぽ一歩や春の雲1奈良県陶 生
63春の雲ウクライナにもロシアにも1千葉県風 聲
72飛火野に輪を描く鳶と春の雲1兵庫県大谷如水
74待合の会話弾むや春の雲1兵庫県こうせい
76人づてに近況を知り春の雲1長崎県みんと
82久々に鍬持ち仰ぐ春の雲1神奈川県ひろちゃん
85立ち漕ぎで追ひこしてゆく春の雲1奈良県よっこ
86春の雲雨の上がりし植木市1千葉県相良 華
91外つ国の戦渦思ひて春の雲1京都府福井茶衣
94お城下をほがらほがらと春の雲1東京都寝 子
98大いなる日輪かぶり春の雲1滋賀県和 久
99春の雲風の子たちの遊園地1静岡県こいちゃん
自由題の部
作 品 互選 選者選 都道府県 作者
134明日はもう要らぬスーツや沈丁花11神奈川県じゃぐ
282子遍路の三つ編みできて宿を発つ10兵庫県喜 柊
145花種を蒔きし一家の村を去る9岐阜県近藤周三
139風光る洗い晒しの柔道着8静岡県雪 子
141父眠るシベリアの野に鶴帰る8東京都水谷博吉
214指太き母の手のひらよもぎ餅8神奈川県ようこ
182春風や筆一本の旅支度7神奈川県みぃすてぃ
121春風に押されてジャズの流れ来る6滋賀県泥 亀
148おおでまりこでまり園児列崩し6大阪府レイコ
155初蝶や光の中へこぼれ行く6三重県八 郷
167さざ波はショパンの調べ春の川6静岡県えいちゃん
192卒業の椅子と机を拭きにけり6愛知県コタロー
219笹舟ののらりくらりと春の川5大阪府森 佳月
224御陵林膨らむまでに囀れる5京都府しげお
112終点は花の郷なり西行忌5神奈川県ようこ
119汀子逝くきらめくごとく虚子の忌に5愛知県丸 吉
135春の風パン屋に並ぶパンダパン5東京都小石日和
142船頭は風があやつる花筏5千葉県光雲2
161ほろ酔ひてをり春宵のジャズ倶楽部5神奈川県風 神
163白き雲のせて振り向く春日傘5大阪府椋本望生
177友禅を流す手赤く雪解水5埼玉県夜 舟
203桜東風老いたる日々は飛ぶやうに5広島県一 九
195春うらら波に揺蕩う釣り小舟4静岡県さくら
297砂浜に朽ちたる小舟涅槃西風4静岡県さくら
152桜東風母の気配の残る家4茨城県申 女
164まんさくや覗いてみたき陶器店4千葉県須藤カズコ
196語らひのとぎれてしづか春の雨4東京都寝 子
197子らの声弾けて蝌蚪の群れ爆ぜる4兵庫県ケイト
156田を返す三坪ばかりの吾が棚田3静岡県かいこ
186他所行きの裾丈余る古希の春3静岡県なな古
130声そろへ走る学生春の土手3京都府花 子
149白木蓮哀史秘めたる余呉の湖3愛知県淳 和
169風光る道それぞれの同期生3愛知県さ と
174銀嶺を背に菜の花の広ごりぬ3兵庫県大谷如水
179ふるさとは遠き日のいろ花辛夷3福岡県宮内和彦
180琴坂の小流れ速む春の雨3兵庫県喜 柊
181切り株の芽立ち不揃ひ椚山3神奈川県ひろ志
202囀りや進めて好いねあの話3北海道みなと
212風光る硝子でできてゐる都会3静岡県指田悠志
222追悼のサイレン長き春の昼3宮崎県黒木寛史
230春逝くや岩波ホール閉づるとか3東京都梧 桐
257一年生返事の声の透き通る3三重県八 郷
303踏み踏みてれんげ畑の縄電車3静岡県こいちゃん
254初花の便りの朝や出棺す2茨城県申 女
103幸せの過ぎたることも春愁ひ2岡山県原 洋一
105子ら溢る児童公園風光る2千葉県えだまめ
111未黒野に何嗅ぎ当てし猫跳ねる2栃木県荒川三歩
116なるやうにしかならぬ世や涅槃西2京都府せいち
124春泥やいざ鎌倉へ東武士2千葉県玉井令子
125卒業生またも減りゆく島の民2埼玉県祥 風
126機関士の手が見えてをり春彼岸2神奈川県たかほ
137はうれん草赤子のうんち乗つ取りぬ2兵庫県峰 乱里
143意気地無く前言撤回春の雪2北海道篤 道
150真っ直ぐに老いてゆくなり春炬燵2広島県山野啓子
151万葉の道の別れや蕗のたう2静岡県浜 子
157水温む米研ぐ武骨なる指に2岐阜県俳ネン
162春の雲潮の香廻す観覧車2千葉県みさえ
165十八の春や壮途の寝台車2千葉県風 聲
168紫木蓮銀座の小さな料理店2静岡県彗 星
170すくすくをわくわくと待つ名草の芽2神奈川県毬 栗
175春色のセーターを着てこもりおり2茨城県逸 光
185余寒空ゼレンスキー氏に揺ぶらる2北海道小 幸
187丁字の香つつみし雨の滴かな2奈良県よっこ
189両の手を振る幼児や花吹雪2千葉県岩 魚
190春光や鎧戸開く百葉箱2愛媛県牛太郎
199さくらさくら路上暮しの糧となれ2静岡県渡邉春生
201菜の花の畑の真中に屋敷墓2静岡県こいちゃん
205極楽寺てふバス停や蕗の薹2岡山県原 洋一
217霾やチリの砂漠の衣の墓場2三重県déraciné
238耕せば土の臭さに草の花2東京都素 夢
246校門に撮影待ちの卒業子2神奈川県ドラゴン
247訳あつて主夫になりたる菜飯かな2岐阜県近藤周三
248スニーカー春色に替へ杖の旅2埼玉県立山 嶺
250梅一輪咲き初む今日の日和かな2大阪府レイコ
259肉球のあと点点と春の泥2岐阜県俳ネン
262うす味のコンソメス-プ水温む2山口県ももこ
266制服の子等眩しくて初桜2千葉県須藤カズコ
269やはらかく波裏返り春の風2静岡県えいちゃん
272春めくや砂場にすなの山や川2神奈川県毬 栗
273春陽射す母の匂いの桐ダンス2神奈川県佐藤けい
274少年の声変わりせる寒の明け2東京都一 八
279沈丁花蕾の紅を捨てて咲く2埼玉県夜 舟
286門前の石段濡らし蜆売り2神奈川県ひろちゃん
299仲春の陽の満ちている新居かな2兵庫県ケイト
301囀の中へ砲弾打ち込まれ2静岡県渡邉春生
104味噌樽の庭に干されて蕗の薹1愛知県草 木
109今日一つ明日は二つ梅の声1兵庫県鈍愚狸
115末の子の卒業したるがらんどう1三重県déraciné
117虎杖や小さき足を水につけ1大阪府森 佳月
120枝先の山師の昼餉初音かな1宮崎県黒木寛史
122朧夜のロシア語耳に粘り付く1京都府しげお
123もやる空田んぼに煙春半ば1埼玉県郁 文
129後ろから四十雀語で話しかけ1茨城県若林峰水
131花種やそれぞれ小さき個性持つ1埼玉県桜 子
133摩訶不思議源平咲きの角の梅1埼玉県イレーネ
136姫辛夷白い光の息づかい1東京都素 夢
140虎杖や沖を真白きフェリーゆく1愛知県茶ぼくさ
144春の夢遥か明治はセピア色1神奈川県ドラゴン
146葦焼の幽き香り琵琶湖畔1埼玉県立山 嶺
147草原の中ひとり風光るなり1三重県礼 香
153かぎろひて段丘の段ゆるみをり1神奈川県横坂 泰
154晩年の漠たる不安涅槃西風1奈良県陶 生
166白檀の香を焚きしめて雛の部屋1神奈川県
172連翹や水たっぷりと閼伽の桶1東京都一 八
173波音を聞きてつらつら椿かな1三重県正 耕
176小雀の三段跳びて巣立かな1兵庫県こうせい
207木蓮の蕾ふくらみ退職す1千葉県えだまめ
210竜天に登る御空のものがたり1香川県どりんひめ
213啓蟄の葉擦れかそけし屈み寄る1栃木県荒川三歩
216好調の校長畑を打つ夕べ1京都府杉森大介
218涅槃図に寄せ合つてゐる老いの顔1京都府せいち
221ウクライナの影曳きずりて涅槃西風1愛知県丸 吉
223春の雷地軸に活を入れにけり1滋賀県泥 亀
226まどろみてエンドロールや目借時1千葉県玉井令子
229父の腕抱きつき泣く子北の春1栃木県あきら
233朧夜や京都五山の静もれり1埼玉県桜 子
239通り雨透けて春光あふれくる1兵庫県峰 乱里
241靖国の開花宣言花五輪1静岡県雪 子
242よく通る声で鳴きおり初燕1愛知県茶ぼくさ
251磯遊棒で描きしへのもへじ1愛知県淳 和
252信楽の四方はみ出る縞𩸽1広島県山野啓子
256啓蟄や勉強嫌ひは親譲り1奈良県陶 生
261長谷寺に参れば届く遅日光1神奈川県阿部文彦
264反抗期鬱々として入学す1千葉県みさえ
270畑打の夫の背中に日のひかり1静岡県彗 星
275黒髪の跳ねるグランド風光る1三重県正 耕
277春雷やシンフォニーのごと始まりぬ1茨城県逸 光
278亀鳴くや水切り石のしぶき上ぐ1兵庫県こうせい
281置物のような老人桜かな1福岡県宮内和彦
287花冷や胸えぐる悔いふとよぎる1北海道小 幸
289吾子とする花いちもんめ風光る1奈良県よっこ
290外来の静かに混みし花の頃1千葉県相良 華
291ひたひたと波よる岸の花筏1千葉県岩 魚
294包みたる葉も香ばしき桜餅1愛知県コタロー
298うららけし尽きることなき立ち話1東京都寝 子
300桃の花みづみづしきは甲斐の山1神奈川県りゅう
302満開の花を尻目の反抗期1滋賀県和 久
304過疎の地の車窓に迫る糸柳1北海道みなと
305啓蟄の土たたくがにヘリコプター1広島県一 九
選評 選者:草の花俳句会副主宰 鈴木五鈴(すずきごれいあ9

《兼題の部:春の雲》

★春の雲つきたて餅のごと伸びて

比喩は、はっとして且つなるほどと読み手を納得させることができれば成功といえます。さらに言えば、誰も
喩えたことのない比喩であれば、さらに良い。この句では、「春の雲」が「つきたての餅」のようだとの見立
てが最初のポイント、そしてそれが餅のように「伸びて」いる、との見立て。うまく喩えましたね。それが
「春」以外では成立しないイメージでもある点、まさに秀逸といえるかもしれません。

◎露座仏の肩にふわりと春の雲

鎌倉の長谷に露座する大仏を想いました。座高が高く、尊顔を拝するには見上げなければなりません。そのお
顔の上には春の雲が……。作者は、その春の空が「肩にふわりと」と表現しました。ベールのような「春の雲」
であったに違いありません。なお、旧仮名であれば「ふわり→ふはり」です。

◎ゆつたりと流れゆく日々春の雲

穏やかに日々を送っている方の句でしょうか。「春の雲」を見上げながらの感慨がふと洩れ出たような、呟き
ともとれるような内容の句です。しかし、周囲を見回せば、コロナ禍による自粛の日々、プーチンによる無意
味な侵略そして殺戮等々、胸を痛めることの多い昨今ではあります。掲句のように過ごせる日々が続くことを
祈りたいものです。

《自由題》

★花種を蒔きし一家の村を去る

「花種を蒔」く行為は、その花を将来見ることを前提とします。見るために蒔くのです。なのに「一家の村を
去る」。とても悲しい現実に胸が痛みます。何がその原因なのかは分かりませんが、いずれ蒔いた種は花を咲
かせます。その花が美しければ美しいほど、見る者には悲しみがつのるに違いありません。せめて村を去った
一家が平和であることを祈るばかりです。

◎笹舟ののらりくらりと春の川

「のらりくらり」が面白いですね。そんなに速い流れのある川ではないのでしょう。笹舟が、春らしくたゆた
ゆと流れる川を「のらりくらりと」、時には回りながら流れていくのです。心がのどやかになります。

◎子遍路の三つ編みできて宿を発つ

親子でやって来た遍路でしょうか。その子、少女は三つ編みに束ねた髪型をしているようです。自分で編んで
いるのか、親に編んでもらっているのかは問題ではありませんが、きっちりと編み上げての出発。「宿を発つ」
子遍路のきりっとした眼差しが見えるようです。


添削(ランクアップのために)

一句は簡単に完成するものではありません。ごく稀に、ふと句を賜る瞬間が訪れることもないではありません
が、何度も声に出しながら「推敲」を重ねる必要があります。あの芭蕉も、何度も推敲したあげく幾つかの名
句を残すことが出来たのです。適切な言葉を選択しているか、言葉の順序はどうか、文法ミスはないか等々、
皆さんも自身で推敲を重ねることを希望します。

・春の雲園児らの声響く土手 → 園児らの声の土手ゆく春の雲

「響く」はいりませんね。土手を歩いてゆく園児たちの声が明るく聞こえればそれで良いのです。その土手を
行く園児たちを見上げると、作者には「春の雲」が大らかに見えてくるのです。「春の雲」を下五に置いた理
由もご理解いただければと思います。

・味噌樽の庭に干されて蕗の薹 → 味噌樽の干さるる庭や蕗の薹

「庭に干されて」と「干さるる庭」の違いをご理解いただけるでしょうか。前者では「蕗の薹」が息苦しいの
です。後者であれば明らかに「蕗の薹」は一句の主役になっているのです。その辺のニュアンスをご理解いた
だけるようになると、作句力は飛躍的にアップするはずです。

・末黒野に何嗅ぎ当てし猫跳ねる → 末黒野に何か嗅ぎたる猫跳ぬる

猫が突然跳ねるのです。「何」かはいりません。何かを嗅いで一瞬に危険を察したからの行為に違いありません。
嗅ぎ当てたから、では理が勝ってしまいます。さらに「し」はいつも指摘しますが過去を表す助動詞です。
「嗅ぎ当てた」のは、いつのことなのですか。今の瞬間でなければ臨場感は失せます。ご検討ください。

        
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